ツッパリとは食うことさ
ぼくは、いつだって前だけを見て歩いているんだ。
ぼくのいうツッパリとは、食うことさ。
サラリーマンのツッパリ精神には、敬服しているんだ。
たとえば、10人のサラリーマンと10人の暴走族が命がけの決闘をしたら、
暴走族全員が殺されるよ。
俺、嘘いわない。
生活がかかっているほうが強いんだよ。
誰が好きこのんで、ゼネストのとき、4時、5時に起きて、
テクテク何キロも歩いて会社へ行く?
ツッパルってのはそういうことだ。
だてや酔狂で生活かけたわけじゃない。
いまの暴走族のやつらはぼくの一面だけを見て、もうひとつの面を知らない。
俺はすごいまじめで、すごく貪欲な青年だった。
先輩に対して腰が低く、
相手の眼をみつめて一言一句も聞きのがすまいとつとめた。
先輩のすべてを吸収して、悪いものは流し、
いいことは残そうとした。
これがなかったら、
なまいきだけでは世の中、渡ってこれなかった。